Modifying Arcam CD72 CD Player as of Aug.14 2004

前回、13日の改造記を書いたのが13日の朝4時くらい。寝ている間、10時間ほど回しぱなしにしておいて、昼間、不安と期待半々で聴いてみた。

ほっ。
ハイ上がりは解消して低音感も復活。ちょっと金属的な感じが残っているけど無問題の範囲。やっぱりきっとコンデンサのエージングだったのだな。

また回しっぱなしにして夕方秋葉原に出撃。
クロック関係では、レギュレータ入力部のデカップリング用のOSコン 470uF/16V。レギュレータそのものもあまりにも小さな78L05が使われているので、使うかどうかは別として少し大きめのTA7805Fを入手。強化出力回路用の部品としてDALEの金属皮膜抵抗器。OPアンプがOPA627BPだからしょーがない、けど高い。LPF用の小容量コンデンサは、EROのフィルム、銅箔スチロール、ディップドマイカ、と実装時の気分で選べるように3種類買い揃えた。聴き比べも楽しいかも知れないし。

秋葉原からの帰りの飲み会で、クロックはやっぱり74HCU04のバッファを1段かました方がいいだろう、と考え直した。前回の回路図のA点に入力だ。だったら秋葉でDIPの74VHCU04も探しておけばよかったか、とも思ったけど、まー速ければいい、ってところでもないからいいか。どうせなまらせて基板を走らせている(たぶん)んだし。

書きかけでプレビューしてみたら、1ページ目、文章だけになってしまっていたので絵を挿入。


Fig.0 ジャンク
CD72もともとのと、付けては外し、を繰り返してしてジャンクにしてしまった電解コンデンサたち。すまんかった。



さてクロック換装だ。
もともとの水晶発振子を外し、A点でオリジナルの配線をカットして、新クロック基板からのクロック信号を繋ぐ。クロック基板上の半固定は、オープン状態で良さげな方形波になった状態。

今回はFatalな改造なので相違点をクロックだけにしたいところだが、ひとつだけおまけ。
Arcam CD72、もともとからフロントパネルのディスプレイをOffにすると音が良くなる。さぁー、っとステージが広がり、音の芯がしっかりする。だからいつもディスプレイはオフのままでちょっと不便だ。
サービスマニュアルを見るとディスプレイ用には-30Vが供給されているらしい。回路図と基板とで見てみると、レギュレータを出て100uFでデカップリングされ、基板を短辺方向に横断し、コントロールASICに入る直前にセラコン、となっている。旅の途中、部品面にジャンパで顔を出しているところがあったので、普通の330uFとBG NX HiQ 0.47uF/50V x 2(超電解だ)を付けておいた。これくらいならば予期せぬ副作用、なんてのもあるまい。

試行錯誤や失敗ももちろん楽しいのだけれども、回路図見ながら論理的(除く:超電解。ちゃんとしたサイト、作ってね。モノはいいんだから)に作業ができる、というのもまた楽しい。どっちか一個、と言われたら試行錯誤かな、僕は。


Fig.1 -30Vライン
右手前のパターン面にソニーのASICが付いている。
右奥のOSコンは、改造着手当時、やたらめったらと電解コンを交換した際にくっついたASIC用5Vデカップリング


さて、と気合を入れて電源を入れたところ、あっけなく、なにごともなかったかのように正常に起動してしまった。
まずはとにかくクロック波形を確認。


Fig.2 A-point
負荷オープンのとき(8月13日のFig.9)よりも立ち上がりがなまっている。
半固定を回して(抵抗値下げる方向)立ち上がりを調整


Fig.3 A-point こんなもんかな


Fig.4 D-pointの波形も確認
オリジナル回路での波形(8月13日のFig.6)とほぼ一緒になって安心


ついでだから音も聴いてみる。前回のエージング前の音の件があったから、心構えも万全だ。
最初の5分くらいは、なんかよくわからないまとまりのない感じだったのだが、しばらく聴いていたら明らかに変化していることがわかり、これは相当いい方向かも、という気になってきた。極力先入見なしに聴いたつもりだったのだけど、百千のクロック交換経験箪と同じ印象、つまり音場感が広がる、ステージが広い、という方向だ。相変わらず使えない私。だが、うれしいものはうれしい。

ディスプレイ電源のバイパス強化は効果のほどはよくわからない。きっとそのうち分かるのだろう。



上ではだいぶ控えめに書いているのだが、実は相当うれしい。内心では「これでWadia16を越えたな」とか思っているらしい。
ある友人から、クロックがきっと一番効く、と言われていたのだけれども実は半信半疑、いや三に七、くらいだった。海外のBBSを見ても、クロックは精度よりも電源、というような意見が目立つし。
とにかくうれしいので、速攻でまた基板を取り外してクロック基板の半固定の値を測る。約75Ω。手持ちのストックに82Ωがあったのでこれを装着。クロックラインは、φ0.5のテフロン被覆線で基板裏からメイン基板の抵抗にできるだけ短く繋ぎ、メイン基板の抵抗器一帯をホットメルトで固める。


Fig.5 黄色いのがクロック信号線
組む前に写真を撮っておくのを忘れてしまった


Fig.6 クロック基板、別方向から
この写真だと62Ωのようにも見えるけど、ちゃんと測ったから大丈夫。オリジナルの水晶発振子がゴムでダンプしてあったので同じようにしてみた。
クロック電源レギュレータ入り口のデカップリングも変更。前回手持ちのBG DC 220uF/25Vで済ませてしまったところをOSコン470uF/16Vへ(右奥)

3端子レギュレータの出口はもともとOSコンで、今は容量強化してあるのだが、いろいろWebを漁っていると、レギュレータとOSコンが近いと発振する危険がある、というような話も目にする。レギュレータの足を0.1uFくらいでバイパスすると良いらしいので、パターン面で積層セラミック0.1uFをINとOUTの両方に付けた。3端子レギュレータはとりあえず交換せず。オリジナルの78L05、林立するコンデンサの奥深くにすっかり埋もれてしまい、メーカー・型名判別できない。外してみたら実は結構良い奴だった、ってことになるとしゃくだし(音がまとまりつつある、という認識から、行動規範がコンサバになってきているのが自分でも分かる)。


もうWadia16を越えてしまった(たぶん、うそ)ので、そろそろ〆にかかるか、と、部品面やパターン面でフラフラしているもろもろをホットメルトで留める。とにかく狭い敷地に大きなBlackGateやOSコンを投入しているので、みんな足長すぎ。


Fig.7 LPFと出力バッファのOPアンプ
結局これだ。参りました、お代はきちっとお支払い致しますので使わせて頂きます、という感じのOPA627BP。
パスコンの銅スチコンも固める


本当に〆られるのかどうか不明だが、なにはともあれ一段落、ということで、改造前との比較写真。


Fig.8 改造後

Fig.9 改造前

オリジナルの電解コンで生き残っているのは数えるほど、というか数えられる。5個だ。



Fig.10 改造後全景
メカの左にもう2個くらいトランス置けそう。やるとしたらクロック用とDACアナログ用かな。
クロックはやっちゃうかも知れない



ここまでの大きな改造項目は次のようになる。
・電源整流用FRDをSBDに交換
・各GNDラインを強化
・デジタル系電解コンデンサを容量アップしOSコンに交換
・アナログ系電解コンデンサを容量アップし可能な限りBlackGate N or NXに交換。不可能(仕様面、ファイナンス面など)な場合はDC or FK
・アナログ出力OPアンプ電源専用にパワートランスを追加。レギュレータ以降の電源系を左右分離
・OPアンプをNJM2114DからOPA627BPx2に交換
・DACアナログ電源デカップリングを強化し左右分離
・発振器を三田電波製高精度水晶発振器に交換

印象としては、DACのアナログ電源強化、が一番効いたように思っているけど、もう少し考えてから、後日総括しよう。


そうそう、もろもろのエージングが未了だろうけど、上図の当座の最終配線状態での音も申し分ない。
作ったまま放置してあるSilmicIIaの電解コンユニットも試してみよう。


Aug.14 2004
chiaki014@mac.com


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