Modifying Arcam CD72 CD Player as of Aug.25 2004

9日ぶりの更新だ。
今年の夏は異常に暑かったし公私とも異常に慌しいのだけれど、改造の方もさぼっていたわけではない。沼に嵌まってWebの更新どころではなかったのだ。

この9日間の進捗を、グランドノイズ前編、グランドノイズ後編、コンデンサ編、の3つに分け、今日から3日間で書き上げようと思う。


グランドノイズ前編

前回は、CD72の持ち主、まあ私のクライアントだな、から大編成オーケストラでの不満を聞き、このままだとCD72宇多田ヒカルスペシャル、ってことになってしまう、アナログ(OPアンプ)電源の平滑コンデンサの容量でも増やそうか、というところで終わっていたはずである。

ことの始まりは、せっかくオシロがあるから、と電源やグランドをmV単位でACで見てしまったことである。
まあ、まずは測定結果からご覧頂こう。

対アナロググランド基点、各アナログ部のグランドAC波形
アナログ(OPアンプ)グランドの基点。+/-11.5Vの
3端子の入り口にある平滑コンデンサの共通グランド

デジタルグランドの基点

OPアンプパスコンのグランド

RCA端子での出力のグランド

新設トランス近辺の平滑用電解コンデンサのグランド


対デジタルグランド基点、各デジタル部のグランドAC波形
デジタルグランドの基点。サービスマニュアル
でもテストポイントとして指定されている

クロック回路電源デカップリング電解コンの1個目
(3端子の入口)のグランド

クロック回路電源デカップリング電解コンの2個目
(3端子の出口)のグランド

クロック基板ベタアース

クロックのバッファ74HCU04のグランド

クロック分配用の74HC14のデカップリングの
グランド

DAC(PCM1716)のVcc系全部の大元のデカップ
リング電解コン(もともとSilmic22uFだったやつ)の
グランド

DACのVcc1のデカップリング(もともとRubyconの
無極性10uFだったやつ)のグランド

DACのVcc2系をまとめてデカップリングしてるのの
グランド

DACのVcc2Lのデカップリングのグランド

DACのVcc2Rのデカップリングのグランド

DACのアナログコモン(R)のグランド側

ソニーのメインASICの5Vのデカップリングのグランド

ディスプレイ用-30VがASICに入る前のグランドライン



その他、もろもろ

クロック基板のベタアース vs クロック用5V(RとLの
並列のダンプとBG NX HiQの間)

OPアンプグランド部(パターン面でほぼベタアース)
の端と端

出力回路部のグランドと、RCA端子のグランドの間に
あるフェライトビーズの両端

OPアンプグランドに対してのDACの出力

OPアンプグランドに対してのゲイン2xの出力バッファ
OPアンプの出力

アナログ電源整流ダイオード両端

デジタル電源整流ダイオード両端

OPアンプ出力はちょっと音楽の波形っぽい。整流ダイオードの波形はなんでさちっているのだろう?

それはともかく、各グランド、ノイズまみれだ。
会社の電気屋に聞きまわったところ、30mVとか40mVっていうのは何をやっても出る、とのことなのでアナログ系のグランドのふらつきはしょうがないのだろう。
しかし、5Vで動作しているデジタル系、いくらデジタルとは言え、0.3Vとか0.7Vとか、フラフラし過ぎじゃないのか?これをもっとピシッと、そう、アナログ系と同等の100mV以下くらいに抑えれば何か聴覚上の効果があるんじゃないだろうか、いや、きっとあるに違いない。これさえ抑えれば課題の奥行感もきっと出てくる。

と思い、グランドにこのような電位が生じるのはグランドパターンのインピーダンスが高いからに違いない、これを要所要所、デジタルグランドの基点と太い線で直結させてやろう。Arcamは、CD72では片面基板だからこれができなかったのだな。
大作業の開始である。


Fig.1 ASIC用+5Vのグランドと、ディスプレイ用-30Vのグランドを分離
2つの電源の共通グランドで、-30V側はBG NX HiQx2と適当な330uFでデカップリングしていた。-30V側は330uFをOSコンに変え、デジタルグランド基点との間にL(8.2uH)を入れてみた。ディスプレイON/OFFでの音質差解消に役立つか?
部品面のジャンパ線をカットして、もともとの-30V用パスコン(セラコン)を撤去して、+5V側用のグランドを独立させる。そして専用ジャンパ線でグランドを引く



Fig.2 続き
太い黒のジャンパ線は、当初から短絡させていたメカ用+7Vグランド(1000uFのOSコンが入っている)。撤去してしまったセラコンの替わりに-30Vに0.1uFの積層セラコンを付ける



Fig.3 クロックにディップドマイカを追加
クロックのグランドが相当振られていたので、水晶発振器の+5VとGNDの間に910pFのマイカコンデンサを入れてみる



Fig.4 新設していたVcc2L/Rにもグランド線を基点から直結
ついでに、BG N 10uF/50Vが左右1個ずつだったのを2個ずつに増量した



Fig.5 グランド強化後の部品面の様子
部品面にデジタルグランド基点を引っ張り出して(トランスの下あたり)、7ヶ所へグランド線を引く
・ASIC +5V
・Display -30V
・新設Clock基板
・クロック電源
・Vcc2
・Vcc2L
・Vcc2R
ループしないようにパターンカットはちゃんとやったつもり



Fig.6 グランド強化後のパターン面の様子
・PIC
・DAC Vccの大元のデカップリング
の2ヶ所のグランドを強化
・メカ用+7V
・DACそばのデジタル系
・DACそばのアナログ系
・メカ用5V?
の4本は当初に強化済み



これで、都合13ヶ所のグランドを強化したことになる。見た目もごついし、これは行けそうである。
早速組み込んで測定&試聴だ!


次回に続く...。


Aug.256 2004
chiaki014@mac.com


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