ライカを使って暫くすると、コンタックスが
気に成る。折にふれて友人達のコンタックスを
弄らせて貰うが、幸せなことにボディには何故
か興味が持てない。 が、レンズは別である。
特に、広角レンズには惹かれるモノが有る。
ある日、友人が中古店からContax IIaのマウ
ントを買うのにでくわし、「若や」と尋ねると
「Contax-Leicaアダプターを造る」と云う。
私の心は、穏やかでない。 同席した友人が
「Black Contaxのマウントなら持ってるよ」
喜び勇んで戴いたが、かなりの部分がカシメで
どう遣って外して良いやら解らない。
ペンチでアルミダイキャストを摘み・捻ると
「ポロリ」と欠ける。時には手荒な手法も有り
である。マウント周囲を綺麗に折り取り、ヤス
リで成形する。ヘリコイド内筒後部には、距離
計に連動する傾斜カムとギアが着いているので、
此の部分を切り離す。 Black Contaxのマウン
トは、アルミダイキャストを介して外爪・ヘリ
コイド部を固定してあるので、間違えても此等
を分離しないように。
巷間・聞くに、ContaxとLeica-Lのフランジ
バックの差は、3.05〜3.40mmと云われている
が、Black Contaxの場合は2.8mm位のようだ。
此のアダプターの主要用途は広角レンズなので、
後の為にMマウントでいく。 L-Mアダプターと
Contax マウントとの間を埋めるワッカはない
かと宝箱を探すと、古いケンコーのフィルター
真鍮クローム50Φが丁度良い。 ガラスを外し
オスネジを切り取り、インフが来る迄ひたすら
削る。此のアダプター造りに最も大切な部分で
ある。ノギス片手に・磨き板ガラスの上に耐水
ペーパーを置き、力が偏らない様に切削する。
インフが出たら、最後の作業の「傾斜カム」
造りである。ヘリコイド内鏡筒に内接する様な
パイプの持ち合わせは無いので、1mm洋銀板
より切り出す。形は両端で1mm程の差の有る
台形です。切り出し後・正確に成形し、丸めて
銀蝋付けです。此の時・肝心なのは、ヘリコイ
ド内鏡筒に「ストン」と入る様に造ります。
Black Contaxのマウントは「非常に柔」で、
少しでも外へ押す力が存在すると動かなく成り
ます。距離調整は、カムに瞬間接着剤を少量
使い、取り外し・研磨の繰り返しです。
各パーツ連結は、タップ切りを厭わなければネ
ジ止めでも良し、面倒で有れば2液エポキシで
も可です。
仕上げは反射防止塗料をカム部に塗布します。
此等の作業は、途中で組立・成形の繰り返し
であるのは云う迄もなく、手造りの宿命であ
る。どうしても旨くいかない場合は、ゼロから
遣り直す覚悟も必要である。